インタビュー

野口 実穂さん

野口 実穂さん

(のぐち みほ)

インタビュー日時:2022年08月11日

卒業:2017年看護医療学部卒

所属:浅井企画所属

肩書:お笑い芸人

経歴

神奈川県鎌倉市出身。
2015年、アイドルとしてデビューし、2016 年にはミス鎌倉を1 年間務めた。
2018年にアイドルを卒業後、仏像・お寺の面白さを発信するべく、自身を本名の「みほ」と「ほとけ」を掛け合わせ「みほとけ」と名乗り、ピン芸人として再デビュー。自称「お寺・仏像研究家」として年間100 以上のお寺を訪れている。尊敬するものに近づきたいという気持ちから自身を愛する仏に扮して表現する「仏モノマネ」をSNS で公開するなど、幅広く活動中。

Twitter: @mihotoke_chan
Instagram: @mihotoke_chan
You Tube: みほとけちゃんねる

仏モノマネは身の回りにあるものを駆使して行う。こちらは海岸寺(山梨県)の千手観音。
仏モノマネは身の回りにあるものを駆使して行う。こちらは海岸寺(山梨県)の千手観音。
インドネシア渡航時。ストリートチルドレンへの保健教育に取り組んだ
インドネシア渡航時。ストリートチルドレンへの保健教育に取り組んだ

看護医療学部の思い出

――看護医療学部に入学したときから芸人を目指していたのですか?

いえ。最初は看護師になるつもりでした。ドラマのJINに憧れて、脳外科に行きたいって思っていました。大学に入ってからは地域看護や高齢者看護に魅力を感じたので、もし看護師になっていたら、訪問看護とか高齢者施設とかに行っていたと思います。

――大学時代の思い出を教えてください。

あまり真面目な学生ではなかったけど、友達が本当に助けてくれたのでなんとか成績をとれていましたね(笑)。看護の実習とか勉強とか色々と大変でしたが、でも振り返ってみると割と楽しかったなって思います。いまタレント業をやっていますけど、けっこうしんどいこともあるし、特殊な場所ですが、あの時病棟の看護師さんも頑張っていたなと思うと、私なんかまだまだ頑張っていないなって思うんですよね。
――学生時代の経験が支えになっているんですね。

はい。euphoria(看護医療学部の国際協力サークル)でインドネシアに行ったりもして、普通の大学では出会えない色々な猛者たちに出会うことができて、すごく楽しかったし、世界は広いなって感じていました。

お笑い芸人になるまで

――看護師ではなく、全く別の道を目指したのはなぜでしょうか。

もっとやりたいことが他にあったってかんじですね。人前にでて何かしたいという思いはずっとあったので。アイドルになりたいってずっと思っていたし、アイドルじゃなくても自分を表現するとか、人前に出て何かやるっていうのが自分に向いているって思っていました。

――アイドルから現在に至るまでの経緯を教えてください。

一番はじめは本当に小さい頃で、天才てれびくんとかに出ている子が羨ましいなと思っていました。中2の時にAKBオタクになって、自分もAKBになりたいって思って。中3で受けたオーディションに合格したのですが親に猛反対されました。その反対のされ方が半端じゃなかったので、別の道を探した方が幸せになれると思っていたんですけど、時間が経つにつれ、ちょっとやってみてもいいかなと思い始めて。大学生になってから人前に出ることを始めて、アイドルとまではいかずとも、カットモデルをやってみたり、ちょっとしたオーディションを受けたりしていました。そういうことを経験したら満たされるかなと思ったんですけど全然そんなことなく、むしろプロとしてデビューして、自分がどれだけできるのか試してみたいという思いが強くなりました。

――そして紆余曲折を経て芸人に。

アイドルの世界が私にはかなり厳しかった(笑)。
もちろんお笑いの世界もめちゃくちゃ厳しいのですが、お笑いの世界で戦うほうが自分に向いていると思っています。

――(アイドルとしての)自分に限界を感じたということでしょうか。

限界を感じました。私のその、性格、スペック、全部がダメだ!って。年齢も年齢だったしこりゃダメだと思って。でも人前にでて一回デビューしたから、そのまま引き下がるのももう違うし。
今って芸人だろうがアイドルだろうが、インフルエンサーだろうが、自分独自の表現や発信をすれば、表に立ってお仕事できる存在になれるじゃないですか。だからお笑いとか仏像とか、自分が好きだったことを生かして新しい道に挑戦してみたら、もしかしたら自分がなりたかった存在に近づけるのでは、と思いやってみたところ、お仕事がもらえるようになりました(笑)
お笑いは、なんだろ、ファニーなことをしているわけですけど、笑ってもらえるとか、面白くするってすごい大事な技術だし、それで伝わることってあるなぁって思って。あと面白いって単純に幸せなことじゃないですか。笑ってもらえる、ウケをとるってすっごい気持ちよくって。そこを突き詰めたいなって思います。

看護と仏像

――仏教や仏像は「祈り」という点で医療と親和性が高いように思います

そうなんですよ。看護師さんって死が目に見える範囲にあるわけじゃないですか。そういうところとか、繋がる部分はあると思います。看護を勉強していて良かったです。

――看護の知識を生かす、という意味では、みほとけさんのtwitterで手洗いの仕方を説明したツイートが話題になっていましたね。

(コロナ禍初期に「アルコール消毒液、ワンプッシュの量多すぎじゃない?と思う人へ。」という見出しで写真入りの説明をしたツイートが10万いいねを獲得した)

実際の画像(スクリーンショット)幼稚園や会社から、手洗い場に貼るために画像を使ってよいかメッセージが来るほどの反響だったそう。野口さん「でも探せば製薬会社とかがちゃんと作っているんですよね。だから、そちらの方が分かりやすいですよって案内しつつ、好きな方を使ってくださいって返事していました(笑)」
実際の画像(スクリーンショット)幼稚園や会社から、手洗い場に貼るために画像を使ってよいかメッセージが来るほどの反響だったそう。野口さん「でも探せば製薬会社とかがちゃんと作っているんですよね。だから、そちらの方が分かりやすいですよって案内しつつ、好きな方を使ってくださいって返事していました(笑)」

そうなんですよ!本当にびっくりしました。アルコール消毒しましょうっていうけど、アルコール消毒の仕方って、私は習ったから知ってるけど、普通の人って知らないだろうなって。できるできないは別として、正しいやり方を発信したらみんな喜ぶかなって思ったらめっちゃバスりました。

私がいま活動できているのって、仏像が好きで、元アイドルでお笑い芸人だけど、看護師っていうのもあると思います。医療系の雑誌で連載させてもらったりとか、健康番組出させてもらったりとか、結構そういったお仕事もいただけるんです。看護師タレントはいっぱいいるし、芸人もいっぱいいるし、仏像好きもまあいますけど、そこを全部組み合わせた人はなかなかいないんです。看護師であるおかげで唯一無二の存在になれているし、学部の同級生や先輩たちが活躍している姿を見ると私も負けないように頑張らなきゃと思って本当に元気をもらえるので、感謝しています。

皆様へのメッセージ

もっと看護師かっこいいっていう世の中になってほしいと思っているので、そのための手助けと、慶應看護の名前を広めるために、お笑い芸人みほとけとしてお茶の間で活躍できるようになりたいと思います!

東京国立博物館で行われた特別展【空也上人と六波羅蜜寺】に際して発足した空也上人ファンクラブでは公式サポーターを務めた
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