インタビュー

小澤 琴巳さん

小澤 琴巳さん

(おざわ ことみ)

インタビュー日時:2023年02月13日

卒業:2021年看護医療学部卒

所属:慶應義塾大学病院

肩書:助産師/看護師/パデル選手

経歴

2017年に慶應義塾大学看護医療学部入学。慶應義塾大学病院の助産師/看護師として勤務する傍ら、2021年11月にカタール、2022年にはドバイで開催された世界選手権に日本代表として出場。助産師/看護師×アスリートの二刀流で活躍している。

パデルとの出会い

――パデルを始めたのはいつからですか?

本格的に始めたのは2019年5月、学部3年生の時です。テニスを元々やっていたのですが、パデルを広めたい慶應の先輩に声かけてもらって、信濃町に移動してきたタイミングで始めました。当時はパデル特有の出来そうで出来ない新しい部分をクリアしていくのが楽しくて続けていましたが、気がついたら競技としての魅力にハマってました。パデルは本当に奥が深いです!今は日本を代表して世界に勝つ選手を目指して頑張ってます。

先輩に誘われパデルを始めた頃の小澤選手
先輩に誘われパデルを始めた頃の小澤選手

看護医療学部とパデル

――そもそも看護医療学部を目指したきっかけはなんですか?

元々は国際協力や途上国支援、特に現地の母子保健に興味がありました。ヘルスケア全般に興味があり、幅広く、国際的にも学べる慶應看護に入学しました。

――学生時代途上国に行っていましたよね?

そうです!アフリカ医療研究会でザンビアにいき、子どもたちへの保健教育をしてきました。ラオス研修にもいきました。学生時代はキャリアより興味が先にあってとにかくやってみようという気持ちでした。面白いことはまずやってみようという気持ちでチャレンジできていましたね。

――学生時代は助産師コースで勉強していましたよね。看護の実習だけでも大変なのに、国家試験、助産師コース、パデルの両立は大変だったのではないですか?

3年生の実習と助産課程そしてパデルと正直しんどかったですね。特に看護師と助産師の国家試験が4年生の2月に控えた中、その先の3月に全日本大会に出場しました。私たちの学年はお互いに支え合いながら国家試験を乗り越えようというムードがあったからこそ乗り越えられました。今でも思い出しますね。実は全日本も優勝できて、両方結果が残せて嬉しかったです。

アフリカ医療研究会としてザンビアで活動中の様子
アフリカ医療研究会としてザンビアで活動中の様子

助産師/看護師として、パデル選手として

――今は病棟で看護師/助産師をしながらパデル選手として活躍されていますがまた違った大変さがあるのではないですか?

大きな組織の中で専門職として働くという責任とパデル選手としての責任があって両立が難しいなと感じます。コロナ禍での練習や世界選手権への出場には周囲の理解が必要不可欠でした。正直、どちらを選ぶか相当悩みました。前例がない中で難しさがありましたが、周囲の協力もあって出場が叶いました。もちろん体力面はしんどいですが、精神的な辛さの方が大きいです。でも競技も助産師/看護師もやるしかないという気持ちでここまでやってきましたし、おかげで成長できています。

将来への展望

――本当に多方面で活躍されていてたくさんの可能性があると思います。そんな中での今後の目標はどんなことなのでしょうか?

実はパデルがそう遠くないうちにオリンピック種目になりそうです。
今の自分の目標としては国際大会で結果を残すことです。その先、アジア競技大会やオリンピック種目に正式採用されたら、日本やアジアを代表して勝てる選手でいたいです。
その頃には30歳あたりだと思いますが、パデルは選手生命が長いので、ママになってもできるスポーツとしての魅力を体現したいです。また、パデルは欧州が強いのですが、結構戦術が大切になってくる競技で、日本人のような丁寧に戦術を考え忍耐強いところが強みになるので、今後もっと世界で戦えるようになると思っています。
あとはスポーツ選手や女性の身体の悩みに寄り添いたいです。特にスポーツ選手は妊娠、出産、不妊、月経など特有の悩みを持つ方が多いと思います。だからこそ自分も当事者として女性のライフステージに生じる悩みに寄り添いたいと考えています。


――確かに女性として自分の興味やキャリアを大事にしながらどうしていけばいいのか悩みますよね。それこそ助産師さんはそこのプロですよね。

そうですよね。今は未熟ですが、いつか自分の経験が活かせるんじゃないかと願います。
看護って「人」に対していろんな角度からアプローチできることが魅力だと思っています。看護師以外の人と出会ってきてすごく思うのが、看護師ってこうやって話しているだけでその人がどういう人で、どういう背景や人生観を持っているか自然と気づけるところが素晴らしいなって思うんです。そんな看護の「人間性を引き出す技術」でできることをもっと考えていきたいです。


――パデルももっと広まっていつかオリンピック競技になるといいですよね

本当にそう思います!実は今、世界で最も競技人口が増え、最も注目されている競技なんです。パデルは、子供から高齢者まで誰もが気軽に始められます。スポーツ未経験者でも1時間練習すればでゲームができますし、楽しく運動不足も解消できます。発祥国スペインでは、パエリアを作ったりバーベキューしながらパデルをやる文化もあるんです。想像するだけで笑顔いっぱいな状況が浮かびませんか?そんな地域のコミュニティがあったら素敵ですよね。

――日本でいう温泉卓球みたいな感じですか?

そう!そんな感じです!だから、パデルが新たなコミュニティの中心になったり、健康増進に繋がったりして地域活性化になればいいなと思っています。

世界大会本戦でチリのチームと試合中の様子 ©日本パデル協会
世界大会本戦でチリのチームと試合中の様子 ©日本パデル協会

皆様へのメッセージ

――本当にさまざまな可能性や熱い想いが聞けて自分にとってもモチベーションになりました。最後に何かみなさんへ一言ありますか?

間近で人の生と死に向き合う助産師/看護師という仕事はかけがえのない存在です。人生の様々なステージにいる日常では出会えない方から学ぶことが多くあります。もっと世の中に魅力が伝わり、看護師が仕事とプライベートを両立しやすい、働きやすい社会になるといいなと思います。新しいことに挑戦したい方、パデルが気になった方、ぜひ始めてください!

©日本パデル協会
©日本パデル協会

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