インタビュー

神田 純子さん

神田 純子さん

(かんだ じゅんこ)

インタビュー日時:

卒業:1994年度慶應義塾看護短期大学

所属:

肩書:

経歴

広島大学医学部保健学科卒
第一勧業銀行入行 人事企画部健康管理室 配属
みずほフィナンシャルグループ 内幸町健康管理センター 退職
現在 業務委託を受けて個人で保健師として在宅ワーク中

 私は現在、3人の子供を育てながら某銀行の関連会社から業務委託を受けて在宅で仕事をしています。保健師が在宅で何が出来る?と思われるかもしれません。具体的な内容は、企業の健康保険の加入者の相談業務です。健康保険組合からの重複受診・多受診などの情報や、持病などの個人情報をもとに健康相談を行い、最終目標として健保の無駄遣いを減らし、加入者の健康寿命をのばし適切な医療を受けてもらうことが主な目的です。電話での対応なので自宅で電話とパソコンがあれば在宅でできます。3人の子供との時間を長くとろうと思っている私にとっては丁度よい仕事量です。このようなアプローチ方法は元々強いニーズを感じていない対象者への働きかけとしては手軽で効果が得やすく、現実的な方法と思われます。また、対象者にとっても日常の環境の中でリラックスした状態で話すことが出来るメリットがあります。主治医に聞けなかったこと、薬のこと、セカンドオピニオンのこと、家族の介護のこと、自身の疾患のこと、など内容は様々ですが私との相談は他にはない窓口として感謝されることがとても多く、やりがいがあります。不必要な受診行動には知識不足や主治医とのコミュニケーション不足が原因のことがあります。ほんの少しのアドバイスでよい選択ができるようになるのです。
 さて私の慶應を卒業してからのあゆみについてですが・・・いわゆる普通の学生でした。
 漠然と病院に勤務することよりも病院に来ない人の健康についてもっと知りたいと思ったことがきっかけで広島大学医学部保健学科に入学しました。大学では健康科学・ストレスコントロールやスポーツ健康学などに興味を抱き、学びを深めました。ボクシングのリングサイド救護や様々なスポーツの試合の試合前のフィジカルチェックなどや地域医療や学校保健の現場などたくさんの経験が出来ました。卒業後は某銀行に入行し人事企画部健康管理室に配属され行員の健康管理を行っていました。銀行業務とはかけ離れた部門です。営利目的の企業にとって直接利益をもたらさない福利厚生的な意味合いが強いと思っていましたが、当時の人事部長からこのようなお話しをいだきました。「ここに勤めている数万人の社員の健康を守ることが銀行の利益につながります。病気や様々な原因で勤務できない人が数百人います。是非この方たちの助けになり、健康でいきいきと働ける職場となるよう貢献してほしい」と。企業の利益に直接関係ないなんて思っていたのは間違いでした。人の健康=企業の利益、なのです。担当支店を受け持ち全行員と問診し、必要な人に保健指導を行います。法律に基づいて衛生管理が成されているか、行員の健康状態がどうかなど支店長席で講評を行います。担当保健師がいることで何か相談事があると必ず連絡が来ます。常に頼りになる存在でいられるようにスキルを磨いていた日々でした。育児を機に退職しましたが、当時の上司が関係会社へ転籍し現在の仕事の依頼をいただき細々とですが10年程経ち現在に至ります。
 ご存知の通り、高齢化社会がどんどんと進んでいき、医療費が莫大になり国の財政や健保の財政はますます逼迫していきます。最近は様々な認定資格や健康にまつわる資格がたくさんできましたが、保健師の独自の機能をいま一度深く考え、「個人の幸せ=社会の幸せ」となる理想を具体的に形にすることが必要ではないかと考えます。月並みですが私の業務がささやかながら「個人の幸せ=社会の幸せ」の一助となれるよう、日々精進したいと思っております

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